七瀬クンとの恋愛事情

「じゃあ倫子さんもそう言って断ればいいじゃないですか?」


あれ? なんかちょっと不貞腐れてる?
なに……?自分のこと言われるのは嫌とか?

さっきまで人の事散々言ってたくせに


「私にそんな機会なんかある訳ないじゃない」


「それはっ………」


一瞬何かを言いかけて、それを仕舞い込んだみたいに口を閉ざした

「ん?」


私の斜め上にある七瀬くんの顔を仰ぎ見ると、彼の眉が微妙にピクリと動いた

「…………倫子さんが鈍いだけですよ、
まぁその事はもう掘り下げないけどね」

訳の解らない事を呟きながら小さく溜め息をつかれた

「なに?」

逸らされた視線を捕らえようと、少し距離を縮めると、その瞳を細めて顔だけ降りてきた

「倫子さんの知らない事や気づかない事、俺
結構知ってるから」


近づいてきた顔を避けるために引いたが、
ここで怯んではまた先手を取られてしまう


「わ、私だっていろいろ知ってるしっ!
たとえば七瀬くんって、定期的に開かれる合コンで必ず女の子お持ち帰りしてるとか………」


「はぁっ?!」


「だいたい彼女はその中から選りすぐりの子がなるみたい、とか?」

つらつらと、会社のロッカールームで女の子達が話してた話を言ってみると、

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