七瀬クンとの恋愛事情

「また古坂の気持ちを踏み躙りやがってーーっ!
この野郎!!」

「わっ、ちょっと待った山下さんっ!」

宴会のほぼ中心で飛び掛かってくる山下さんを他の同僚たちが止める


「古坂の方から愛想が尽きたって、三行半突きつけられたんですって」


「そんなわけっ、どうせお前が悪いんだろう」


山下さんを制止しながらも、周りの同僚たちが同じ意見を賛同させているのがわかる


「……どっちもどっちってやつですよ、俺も古坂も、お互いに付き合ってみたらこんなはずじゃなかったみたいな感じで…」

「……ヤったのか?」


小声ながらやっぱり男はそっちにいくか

「その前に叩かれました、ほらここ」

結構力一杯引っ叩かれたあとが赤くなった頰を指する


「………サイテーだなお前」

「はい、そうも言われました。地獄に堕ちろとまで、それもひどくないですか?」


ぷっ、と誰かが笑うと
「なんかスゲぇな七瀬って、そこまであの古坂を怒らせることが出来るなんて」と失笑された


空気が変わったところで、すかさず聞いてみた


「あの、ところで主役の高科課長はどこいったんです?見えないみたいなんですけど…」


まずは偵察、この違和感から

「ああ、トイレか?だいぶ飲まされてたからちょっと外にいったのかも」


「外に?」


出入り口に目を向けると、
隅の方にいて脇谷主任に名取が絡んでいるのを見つけた

間違いなく、そこで倫子さんも一緒にいたはずだ


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