七瀬クンとの恋愛事情


『しょうがないっスねぇハルさん、いちいちやる事可愛いんだから本当に…………』

七瀬くんがそう言って非常階段のところでコソコソと電話しているのを私も聞いた事がある


正直そんな風に言われてる電話口の年上であろう『ハルさん』が羨ましいとさえ思った



「ぷっ…………クククッ」


ん?


「ぐっクククッ、ハルさんが……俺の…クッ」

頭を完全に肩から下げ、片手で口を押さえてもその堪え切れない笑いを止められないまま、顔を隠して肩を揺らす七瀬くん


「な、なに?」

そこまで笑われる様な事、言った?

「七瀬くん?」

「………っプハッははははっ腹いたぁ〜〜っ」


こ、壊れた?

一向におさまらないで涙すら流す七瀬くんの笑いに、その顔を覗き込んだ

滲みでる涙を拭い、目尻を下げながらこっちへ視線を向けた七瀬くんに、なぜか思わず私の胸が跳ね上がった

「いやぁ、確かにハルさんにだったら俺抱かれてもいいっスけどね〜」


「え……っ」


「クククッ………」





暫くして、そのうち大きく息を吸って、一旦笑いを落ち着つかせるようにその息を吐き出した



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