七瀬クンとの恋愛事情
「あ、ちょっと倫子さんに似てるかな、鈍感なところとか嘘がつけなくてすぐ顔に出るとことか」
「えっ? 私って 顔に出るの?」
思わず両手で頰を覆う
「ククッ………ほら、すぐ俺の言った事マジに信じるとことかさ」
「…………っ」
担がれて、そのままムッと口を尖らせた
見上げて目を合わせると、フフッと優しい瞳で見下げられた
この男のそんな瞳に、時々ドキッとさせられる
6歳も歳下だっ倫子!!
今日はあくまで人助けとして一緒にいてくれてるだけなのに
無意識に引き込まれていくなんて、とんだ色ボケ30女じゃんっ!!
でも、それに引き込まれたい願望もある………
顔に出るなんて、まさかそんな事まで悟られないようになんとか意識して目を見開いた
「ハルさんはお姉さんの恋人じゃないの?」
「付き合っては、ないらしい………俺から見れば好き合ってるみたいに見えるんですけど、簡単じゃないみたいで、姉貴は親友の元カノだしその親友と別れた理由もハルさんが原因かもしれないし」
「別れた原因が?三角関係………なんだ」
………ふぅん、なんかどこにでもあるんだ、親友の恋人に横恋慕するパターンって
「かもなぁって、俺だったら別れたならもうガッといくんだけど、まぁ自分の姉貴なんでその辺はちょっと追求できないし、だから見ててもどかしくて」
へぇっ、七瀬くんは普段ガッといくんだぁ
「そんな心配するなんて、なかなかのお姉さん想いなんだね、七瀬くん」
そう言った私に顔を向けて見据えてきた