七瀬クンとの恋愛事情
「愁…士くん?」
「イヤイヤ、ここは君付けなしででしょう普通」
「うっ…」
なぜだろう
往来で手を繋ぐより羞恥心を感じるのは?!
「あっ家、家に帰って練習してから……」
「ダメ、今じゃないならもっと違うエッチなお願いに変えようか?」
意地悪くそう言う七瀬くんにふるふると顔を振る
意を決してそっと手を彼の腕に巻き付けて目を合わせようと見上げる
「おっ…お腹空いたねぇ〜愁士、なんか食べに行こうよ愁士、今日は泊まってくの?愁士…」
こうなったら愁士のオンパレードだ
「〜〜〜〜〜っ!」
意を決して言ってみたのに、愁士は顔を片手で覆い空を仰いでいる
首まで赤くなってる
「ねぇ倫子さん、次のお願いはいつ聞いてくれる?」
夜道の中、ふたり並んで手を繋いだまま
ゆっくりとうちへと歩いて行く
「うん?またいつかね〜」
食事しながらおいしいワインを飲んできて、ちょっといい気持ちな私
身体が傾いて、
彼の唇がゆっくりと私の口元まで落ちてくる
チュッと小鳥が啄むようなキスをされた
「じゃあ、それまでに指輪のサイズ教えておいてよ」
心地のよい風が吹く中
私は今
幸せな恋愛チュウらしい
【Fin】