七瀬クンとの恋愛事情
「なんか、だいぶ歳の離れた弟さんなんだ」
これから大学生って事は18歳?倫子さんが今度32歳だから……14歳差の姉弟かぁ
弟徹也は俺に視線を向けると何故か見下したようにふっと笑った
「倫子の父さんと俺の母さんが再婚したからな」
「そうそう、父さんが若いお姉さんみたいなお嫁さんもらった時はびっくりしたのよ」
「へぇ〜」
ああ、それで納得。
「とりあえずコーヒー入れるね。愁士くんはブラックでいいよね。えーと徹也はコーヒー飲めたっけ?」
「それいつの話だよ、俺もブラックでいいよ」
キッチンから弟を茶化すようなやり取りにちょっとだけやきもちを妬きながら、やっぱり姉弟なんだと思った
そして俺のためにちょっとしたつまみを用意してくれるためか、冷蔵庫からチーズやハムをつかってアレンジを始めた
そんな彼女を愛おしく見つめながら、ふとこちら側で二人っきりになってしまった弟くんと目が合った
「……あ、大学ってどこ?」
彼女の身内となれば、将来は俺の弟ってことだとも言える訳だから、ここは初めの悪い印象から抜け出さなければ
「青◎大学」
「へぇ、頭いいんだぁ〜徹也くん」
「……………」
こっちが愛想良く歩みよってるわりには俺に対して相変わらず初めと同じ見下したような態度が変わらない
ゆっくりと目の前に座る俺を頭から足の先まで見るように視線だけ動かして、小さな溜め息をついた
「まぁ、結構気ぃ使うもんで」
「?」
こんどはフッと鼻で笑う