七瀬クンとの恋愛事情
「なっ……?!!」
「問題ないだろ?血が繋がってないし、倫子の父親のせいで俺頑張ってた訳だし」
本当に倫子さんの弟なのか?
頭おかしいんじゃないのか?こいつ……!
まさかこんな強敵が彼女の近くにいたなんて
「好きなのか?!倫子さんを」
いや、そこじゃないだろっ俺、もっと違う言い分が彼氏として……っと頭で葛藤する俺を前に
弟は「ぶっ」っと吹き出した
「そーゆうんじゃないだろ、男ってやれればいいわけだからさぁ〜。倫子ってそうゆう位置付けっぽいから今まで男が寄ってこなかっただろうし」
ケラケラと笑う弟に一瞬で腹を立て、
湯上がりに着ていた奴のTシャツの首を思わず掴んだ
「どうしたの?」
コーヒーに軽食を用意して持ってきた倫子さんの前で直ぐに掴んだ手を離したが、険悪な状態の雰囲気に眉をひそめている
「……倫子さん、今日泊まっていい?」
とりあえずこの不届きな弟と倫子さんを二人っきりで過ごさせるわけにはいかない
「え、あ…うんまぁ大丈夫だけど」
こころなしかチラリと弟を気にする倫子さん
「電話してね♡ 明日香090ー***……」
「ん、何それ?」
いきなり空気を変えるように取り出したコースターらしき紙を声にだして読み始めた弟に、それを覗き込む倫子さん
「さぁ?さっきそちらの愁士くんの上着のポケットから落ちた紙なんだけど……」
さりげなくその紙を倫子さんへ手渡そうとしていた