七瀬クンとの恋愛事情
「俺、姉コンなんで」
「姉コン? ってイケイケのお姉さん好きってこと?」
20代の男子なら
まぁ、ほとんどがそうでしょ?
豊満なボディに足組んでカモーンみたいな年上の女に惹かれていく悲しい操ってやつ
「違いますよ、シスターコンプレックス
自分の姉貴が心配で仕方ないこと」
シスターコンプレックス?
家族の心配して何が悪いんだろう?
「それって普通じゃん」
むしろお姉さんが羨ましい
そんな風に言った私にホッとした表情を見せた七瀬くんがゆっくり話し始めた
「昔、小さいころ2人で家の中で隠れんぼしたんです」
「隠れんぼ?」
「でも、暫くしたら鬼の俺は母さんの買い物について行っちゃって…………」
「………あら…」
また、優しい顔になって、思い出してるであろう情景に目を細めている
結局、隠れんぼしてることを忘れてしまった七瀬くん、そのまま家族は、まだ隠れんぼ中のお姉さんがいなくなったと大騒ぎになったらしい
そのころお姉さんは暗い押し入れにずっと隠れてて、
小さい子供の長時間の押し入れは、想像以上に恐怖心を植付けてしまったらしい
「それ以来、お化け屋敷やホラー映画はもちろん、暗闇を怖がって中学生まで電気を消して眠れなかったんっスよ姉貴は、全部俺のせいなんだけど…………」