七瀬クンとの恋愛事情


それ以来、何かと心配性の父母の影響もあって姉の動向を気にしていて、と話す七瀬くん

「ついつい昨日何時に帰ってきたのかと、誰といたのかとか聞くから、段々ウザがられてるけど」


「へぇっ〜」

歯に噛んでそう言い、珍しくいつもより語る彼を見つめながら、小さく相づちを打つ
聞いててなんだか楽しくなってきた


「でも、最近はハルさんがいろいろ姉貴の世話をやいてるから、逆にそのとばっちりで仕事終わりにハルさんから何かと電話やメールが掛かってくるんだけどね」

「ハルさんも七瀬くんも、お姉さんの事大好きなのね」


私がそう言うと、一瞬目を見開いた後
クシャリとした笑顔をして見せた

いつも会社で見せる後輩としての笑顔とは違ってなんだかキラキラした顔をしていた

…………いや、たぶん私がおかしくなってる
こうしてる今のこの空間の中で、彼を見てフワフワした気分になっている


「ふふっ、七瀬くんに大事にされるなんて、なんか羨ましいな」


「ん?」

「えっ?あ、いや」

一瞬、とんでもなく締まりのない顔をして言ってしまって、カァッと湧き上がるような赤面を隠した


「倫子さん?」

30㎝あったその間の距離は、いつの間にか顔を逸らした先に廻ってきてすぐ至近距離まで近ずいて縮まっていた



「羨ましいのは俺の姉貴?」


「…………っ」

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