七瀬クンとの恋愛事情


「ちゃんと持ってるから」


ズボンのポケットから正方形の包みが2つ

それって、コン……っ!?

「2個しかないけど」

しかって……って、えっ?!
こんなものいつもポケットに持ち歩いてんの?


「いや………あの、そうじゃなくてっ」


上からもう充分その気の七瀬くんを、下から両手で力一杯胸を押し出そうとする私の行動に

「え?」っと、キョトンとした顔をさせていた


流されてた、完全にこれ流されてたよ私っ
でも、いま正気に引き戻された



一瞬の沈黙の後、七瀬くんが口を開いた



「もしかして、今日アレ(生理)とか?」



「……いや、それは違う…けど」


「けど?」


「ずいぶんこうゆうのはご無沙汰で」


「いつ振りくらい?」

ええっ、聞くそれ………

組み敷かれた体勢変わらず、上から腕を伸ばしたスペースの中で顔を背けて

そこまでは言わない、と口を閉ざす様に下唇を噛んだ


「……………」


「そんなの大丈夫だから」

「え、はっ?!」

すぐに首筋に七瀬くんの唇が降りてきた


「いやいやいやいや…もう本当5、6年前で萎れちゃってるから」

もう必死に肩を両手で押して、抵抗して
身体を捩り、なんとか七瀬くんとのスペースが空いた


「へぇ…それって もしかして噂の社長とから?」


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