七瀬クンとの恋愛事情

「う…………っ」

組み敷かれながら、まんまと自分の性履歴を明かされてしまった


そうだよっ、あの大失恋から何もない

立ち直る努力はしたが、結局その後付き合ったのは、あのコスプレ強要変態野郎の豊田さんだけだ

なのに私ってばなんて節操もない〜〜っ

両手いっぱいで顔を隠した

「……………」



本当に、この状態で思い出したくもない記憶だ


「俺痛くしないよ」


「ど、どっから来るのよっ、その自信」


「ダメ?」


「………だめです」

とにかくもう、この状態から抜け出したい
さり気なくその腕の中から強く胸板を押し出し、また抵抗を試みる

「キスだけでいいの?」

「………え、あ」

キスだけって、もう充分いただきました

確かにその引きこまれるほどの彼の誘惑に、ついその気になって絆された私だけど

「今の流れで寸止めとか普通ない」


いやいや、大体そこまで誘ってないし

それって
ただHをシタいっていう君の本能だろっ


「いや、本当にごめん」




仰向けに七瀬くんを見上げたまま、両手を組んでどうかお願いのポーズ

すると七瀬くんから
「はぁっ…,…」と、深呼吸のような大きな溜め息が落ちてきた


えっ?私が悪いの?

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