七瀬クンとの恋愛事情

「眠れました?」

耳元にまだ眠そうな声が微かな息と共にかかる

確かに、何となくスッキリしている
人の体温の中で眠るって、結構心地イイものなんだ

「…………おかげ様で」

そう答えると、
くぅわっと欠伸をした七瀬くんがそのまま私の頭の上に顎を添え、脚を絡ませてきた


「俺はあんまり寝られなかった………」


「え、あ…」

そりゃ、こんなシングルサイズのベッドに
186㎝の巨体1人だって狭いだろう

なのに2人一緒になんて


「も少しこのまま眠ってていいっスか…」

そう言って、さらに腕を回して背中から引き込められていく
まるで私、抱き枕状態だ


「………………あ、ちょっと…」

密着度が増すほどいろんなところが気になるし


「ああ、気にしないでください、ただの男の子の朝の生理現象ですから」


「え……っ?」

何が?と考える暇なしで、わさわさと巻き付いている手が動く

はぁっ?!……ちょっ!!

「あれ?倫子さんブラして寝るタイプですか?
あんまり良くないっていいますよ」

あんたが居たから着けてたんだろっ!ってかどこ触って……っ

「っ!っ!っ!」


這い回るその手を掴み、そのまま肘を後ろめがけて思い切り振り上げた


「あう"っ!」

当然緩んだその腕から這い出しベッドから降りてその場から仁王立ちして睨みつけた


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