七瀬クンとの恋愛事情

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「それも、騙されてるから」


「えっ」

堂々と目の前で私を指差すこの地元の友達は、
２６歳で結婚をしてその２年後に離婚した私の少ない友人の中の唯一の独身者だ


地元では、結婚しない者はみんな外へ出てしまうものだけど、彼女は出戻って自分の家のコンビニエンスストアを手伝っている

絵梨花 ３１歳、中学からの友達だ

地元に帰ればそんな友達と２人で居酒屋へ赴き、近況を語る
３連休の調度２日目の夜だ


「あり得ないでしょう、３０にもなって男を部屋に上げたにもかかわらずヤラセない女に何のメリットがあるわけ？」

いくら騒然とした居酒屋だって、ちょっと口が悪くないですかねぇ、絵梨花さん


「会いたいなんて口だけよ、そのコスプレ変態男同様本心は違う何か魂胆があると思うわ絶対」


「な、何を騙されてるっていうの？大体、私は彼の先輩で上司なのよ」

一旦周りを気にしながらグラスワインを口に含んだ後、絵梨花はフゥッと息をついて私に顔を突き合わせつきた

「きっと酔った倫ちゃんに付き添った時点で、それは若者たちの賭けか罰ゲームだったんじゃない？」

「…………そんな…」

なんとなく、いつも私をからかう後輩たちが頭にうかんだ
確かにあり得ない話でもない………


「大体、２０代のまだ遊んでる輩にとって、３０代の女は、選り好みしすぎて結婚できなかった寂しい女って思われてるわけよ。だからって甘えられないのに愛されたいってのがだだ漏れでしょ？」

うっ………まぁ一理ある

最終的にシなかったけど、流れは全て七瀬くんが持ってたような気もするし

「完全に軽く見られてるわよ、倫ちゃん」