七瀬クンとの恋愛事情
彼女の長い睫毛と綺麗な瞳が私を捕らえたままじぃっと何かを勘ぐっているような
……さすがに連休前の七瀬くんを取られた事、やっぱり根に持ってるみたいだ
「ぶ、部下として仕方なくに決まってるじゃないっ」
そう言うと、彼女の顔がふわっと明るくなった
「ですよねぇ、私ったらなんかいちいち七瀬の行動が気になっちゃって、社内恋愛しないって振られたばっかりなのに」
「…………」
彼女の告白場面を目撃した後、七瀬くんがその場からいなくなったのを見計らって給湯室に入っていった。
が、まだそこにいた古坂さんに今七瀬くんに振られたと言われ、(見てたけど)
『どう思います?まだ頑張ってみてもいいですよねぇ?』なんて相談され、今後の協力を求められたんだった
………だからあの日の七瀬くんとの事を思い出すと、一途に彼を慕う彼女に対しての罪悪感が
『会いたいから』
月曜日、実家から自宅に帰ってから連絡しようかどうか散々迷ったけど、出来なかった
「松原主任は3連休何してたんです?」
「休み?あ、実家に帰ってたのよ。部屋の掃除するために月曜の昼には帰ってきたけど、地元の友達と飲みに行ったくらいで、あとはもう何にもしないでのんびりしてたかな、ははっ」
話が逸れた事でホッとして、つい声のトーンが上がってしまった