七瀬クンとの恋愛事情
何、そのスネてるすっぽい顔は?!
仕事しに来てるんだから、当たり前だろ!!
人の隙ついて迫るとかっ………
チリッとする頰の温度はますます上がって熱くなるし、これ以上は心臓までも完全にオーバーヒートだ
こんな罰ゲームありえない!
「わ、私は寂しい三十女でも選り好みしすぎて結婚できないから妥協に走っている訳でもないからっ!!」
「はぁっ?なに言っ…」
近い距離のままの頭をあげて七瀬くんを精一杯睨みつける
「だから、彼女がいるなら遊んでくれなくて
結構っ!!」
あれ、なんか今のはちょっとニュアンスがおかしくなってなかったか?
それでもフゥッっと威嚇するように睨みつける
「おーい倫ちゃんっ、ココにいる?」
倉庫の入り口で高科課長の声がすると同時に、ビクリッと七瀬くんの身体が少し離れた
その瞬間にファイルを彼に押しつけ、その空間から抜け出した
「っ、待って…………」
「かいぎっ!!」
身体を翻し、倉庫に七瀬くんを残したまま高科課長のいる扉まで急いだ
「すみませんっ、今いきます」
「……今、あそこで七瀬とも一緒だったのか?」
会議の場所が変更になってた事を連絡しても通じないからと、探してくれた高科課長
「あ、ええっ、資料探しで………」
なるべくこの火照った顔を冷ますように、視線を逸らして会議の内容に意識を集中させた
「……………」