七瀬クンとの恋愛事情
「可愛すぎます倫子さん。今度は番犬だけじゃ済まないんですけど……今、これって完全に付け入ってますから」
微かに触れる指の感触とその彼の言葉が一瞬で私の身体を熱く疼かせ、ストレートに落ちてきた唇からより深く舌を絡ませ口内を巡る
まるでこれが最終警告みたいに、すでに戦闘体制だと宣告された
「二度目のスイッチは、もう途中停止出来ませんから」
たぶん、私はどうかしてる
だって
そんな言葉に胸が踊らされている
そのまま彼の背中に腕を回していて、
「………うん、いいと思う」
それが自分で発した声なのかわからないくらい気が遠くなっていた
私って、そんなに弱ってたの?
それともこれはいわゆる『性欲』ってやつだろうか?
部屋に上がってシャワーを浴びるとか、一旦コーヒーを入れるだとか
そんなワンテンポを入れていたら、流れが逸れてしまいそうで、
会話もないままにベッドへもつれ込んだ
上から組み敷いかれ、私のブラウスのボタンをひとつひとつ外していく七瀬くんを見上げながら、つい
その手を止めるように自分の手を重ねた
「倫子さん?」
「あ、ごめん…」
「………やっぱり嫌?」
七瀬くんの顔が微妙に傾き目を細めた
嫌………ではない
むしろ、浅ましく期待している自分に驚いているくらいだ
小さく ふるふると首を振った
そんな私を見下げてフッと笑った七瀬くん
あ、今の顔は好きかも…
再びボタンを外すの手が再開され、
その手を今度は止めないまま見守った
「…………」
この間が、なんだか気恥ずかしくて思わず手を出してしまったのだ