七瀬クンとの恋愛事情
一夜の過ちって後悔してたんじゃないの?!




「…………倫子さん」

沈み込んむように眠っていた私を、申し訳なさそうに起こす低い声

ボヤけたまま何とか目を擦り瞼を開くと、目の前で私を覗き込む七瀬くん

「あ……ん?」

「ごめん、一旦家に帰るんで」


彼はすでに服をきて、家を出る状態だ

その様子で一気に目が覚めた


「えっ、あ、もう?今何時?!」

辺りはもう朝日が差している

「うん、5時になったとこで始発がもうすぐ動くから」

「あっ……」


思わず起き上がろうとしだが、肌に触るシーツの感覚にハッと自分の何も着ていない姿に気がついて、慌てて布団を引き上げる


「〜〜〜〜〜っ!!」

「いいよ、俺が出てってからで。玄関まだ不用心だから後から鍵閉めて」

ベッドの淵にすわり、その大きな手が頰に伸びてくる


「………あのさ、倫子さん」

顔を上げると、バツが悪そうな表情で少し頭を下げた七瀬くん

「なんか………ごめん」

「えっ………?」



あれ?今なぜ謝られた?

「………………」


いやいや、この状況この状態に
もしかして、明らかにやってしまったと後悔の謝罪?

確かに一気に現実に戻ったような感覚で考え直してみると

『会社の女上司と流されてついエッチしちゃった』って状況?

「あ、いや、きっ気にしないで………大丈夫だから」

そう言うと、ホッとした表情を見せた


「じゃっ、会社で………」

そう言ってニッコリと身体を翻し玄関から出て行った


< 75 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop