七瀬クンとの恋愛事情
一夜の過ちって後悔してたんじゃないの?!
「…………倫子さん」
沈み込んむように眠っていた私を、申し訳なさそうに起こす低い声
ボヤけたまま何とか目を擦り瞼を開くと、目の前で私を覗き込む七瀬くん
「あ……ん?」
「ごめん、一旦家に帰るんで」
彼はすでに服をきて、家を出る状態だ
その様子で一気に目が覚めた
「えっ、あ、もう?今何時?!」
辺りはもう朝日が差している
「うん、5時になったとこで始発がもうすぐ動くから」
「あっ……」
思わず起き上がろうとしだが、肌に触るシーツの感覚にハッと自分の何も着ていない姿に気がついて、慌てて布団を引き上げる
「〜〜〜〜〜っ!!」
「いいよ、俺が出てってからで。玄関まだ不用心だから後から鍵閉めて」
ベッドの淵にすわり、その大きな手が頰に伸びてくる
「………あのさ、倫子さん」
顔を上げると、バツが悪そうな表情で少し頭を下げた七瀬くん
「なんか………ごめん」
「えっ………?」
あれ?今なぜ謝られた?
「………………」
いやいや、この状況この状態に
もしかして、明らかにやってしまったと後悔の謝罪?
確かに一気に現実に戻ったような感覚で考え直してみると
『会社の女上司と流されてついエッチしちゃった』って状況?
「あ、いや、きっ気にしないで………大丈夫だから」
そう言うと、ホッとした表情を見せた
「じゃっ、会社で………」
そう言ってニッコリと身体を翻し玄関から出て行った