七瀬クンとの恋愛事情

彼女は別れてもまだ好きなんだよねきっと
でも、それに対して七瀬くんはあまりに冷た過ぎるんじゃない?

「行こう倫子さんっ」

彼女に背を向け、そのまま私の腕を引っ張って行く

「ちょ、ちょっとぉ!?」

一瞬目の合った彼女に睨まれながら、その前を通り過ぎた



駅までの道を引かれるまま歩くって言うより、脚の長さの違いからほぼ走っている私


「七瀬くんっ……まって……」

途端に息が切れる
昨日の筋肉痛をふくめて、完全に運動不足だ

息を切らせていた事に、やっと気づいてくれて引いた手を離してくれた


「すんません」

「………はぁっ」

少し落ち着いた頃には駅に着いた

「ねぇ、いいの?さっきの………いくらなんでもちょっと酷くない?元カノでしょ、彼女別れた事まだ納得してないんじゃない?」

一方的に無視しているみたいで、なんの対処もしてないみたいな


「倫子さんには関係ないよ」

不機嫌に視線を逸らして、
こっちの言う事をスッパリそう切ってきた


ムカッ


「だったら、こんな風に引っ張ってこないでよ君の元カノに思いっきり睨まれたじゃないっ」


「元カノじゃない」


「は?」

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