海に降る雨
 あっという間に時間は過ぎていく。


「おなか空いたな」

「うん」

「どっかに入るか」



 水族館を出ると、向かい側の建物にあるレストランへと入った。

 お昼時ともあり混雑はしていたが、大して待たずに席へと案内された。

 オーダーをして、一息をついた。


「思ったよりも楽しかったな」

「うん。ありがとうね」

「何だよ、改まって」

「いい気分転換になったから。感謝しているよ」

「お礼を言われると変な感じだな」


 このままの関係がいい。

 気兼ねしなくいい友人関係。

 変えたくない、この形を。

 料理が出て、二人とも食べ始めた。



「さぁ、これからどうするか」


 食事を終えて、外へと出た。


「海が見たいかな。この近くだよね」

「この曇り空だと人があまりいないかもな」
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