ヒミツにふれて、ふれさせて。
「おいしい…。予想以上にいいとこだ…」
「本当にね〜!かなりレベル高いわよ、ここのカフェ」
「うん…」
今まで色々なお店を回って食べてきたけれど、外観も中も食べ物も二重丸ってなかなかない。来て本当によかったって思う。
だって紅茶まで美味しいんだもん。抜かりないよね。
「ねえねえ、珠理の美味しそう。ひとくち、味見させてよ」
「いいわよ〜!めごのも食べさせて。抹茶と迷ってたの」
珠理と、お皿を交換して、お互いのものをひとくち貰う。うん、バナナとシナモンの組み合わせ、最高。間違いないよね。バナナが甘すぎなくていい。シナモンが少しだけ刺激になっていて、いい。
珠理も、黒蜜をかけてひとくち頬張っていたけれど、口に入れた瞬間、目を見開いていた。
その顔を見て、思わずお互い笑ってしまうから、ここに来てよかったって思う。
思ったより緊張もしてない。少しずつ、この場にも慣れてきた。よかった。
「めごと一緒にこうやって美味しいもの巡りするの、楽しいわね」
もぐもぐと、パンケーキを食べ進めながら、珠理は言った。
「…会って間もない頃も、学校帰りにカフェに寄ってケーキ食べたもんね」
相手にする質問は、1日3回までって決めた時だ。懐かしいな。
「そうそう〜!そんなこともあったわねぇ。まだ数ヶ月前のことなのに、随分前に感じるわ」
「そうだね」
あの時は、まだ全然珠理のことは知らなかったなあ。今は、少しずつ知っていって、こうやって休日に2人で出かけるくらいにまでは仲良くなったけど。