ヒミツにふれて、ふれさせて。
メッセージを送って5分くらい経ったら、瀬名も裏庭の方にやってきた。
瀬名には、この間のことは一通り話してはあるけど、茶々ちゃんに攻め寄られているところを目撃して、びっくりした顔をしていた。
それも気にせず、ツインテールの美少女は、相変わらずもぐもぐと口を動かしながら質問ぜめ。
「ほれで? しゅりにはなんて、へんひひたのよ?」
…もはや何を言っているのかよく分からない…。けど、「何て返事したのよ」って言いたいんだろうな、多分…。
「…まだ、何も。わたしだってこの間リョウちゃんと別れたばっかだし…。珠理と出かけるってのも初めてだったし、そこまで思考が追いつかないよ」
好きだって言われたけど、「付き合ってください」と言われたわけじゃない。返事が欲しいって言われたわけでもない。
今までリョウちゃんとしか付き合ったことがないわたしには、色々と分からなさすぎて。
「ええ〜!?そこ、元カレのこと気にする!?珠理みたいな人にそこまで言わせてんだから、付き合えばいいじゃん!ねぇ三河瀬名!」
「えっ、わたし…?」
興奮した様子の茶々ちゃんは、いつの間に覚えたのか瀬名に同意を求めていた。
それを受けて、瀬名も一生懸命「うーん」と考えて、言葉を出していく。
「…だって、茶々ちゃんは、今他の人に告白されたら…。ミノくんのこと好きだったのに、すぐにその人と付き合える?」
…きっと、わたしのリョウちゃんへの想いがあったことを、尊重してくれているんだろうな。
そーいうとこも、ちゃんと優しく分かってくれている瀬名が、すき。