ヒミツにふれて、ふれさせて。


メッセージを送って5分くらい経ったら、瀬名も裏庭の方にやってきた。

瀬名には、この間のことは一通り話してはあるけど、茶々ちゃんに攻め寄られているところを目撃して、びっくりした顔をしていた。

それも気にせず、ツインテールの美少女は、相変わらずもぐもぐと口を動かしながら質問ぜめ。


「ほれで? しゅりにはなんて、へんひひたのよ?」

…もはや何を言っているのかよく分からない…。けど、「何て返事したのよ」って言いたいんだろうな、多分…。


「…まだ、何も。わたしだってこの間リョウちゃんと別れたばっかだし…。珠理と出かけるってのも初めてだったし、そこまで思考が追いつかないよ」


好きだって言われたけど、「付き合ってください」と言われたわけじゃない。返事が欲しいって言われたわけでもない。

今までリョウちゃんとしか付き合ったことがないわたしには、色々と分からなさすぎて。


「ええ〜!?そこ、元カレのこと気にする!?珠理みたいな人にそこまで言わせてんだから、付き合えばいいじゃん!ねぇ三河瀬名!」

「えっ、わたし…?」


興奮した様子の茶々ちゃんは、いつの間に覚えたのか瀬名に同意を求めていた。
それを受けて、瀬名も一生懸命「うーん」と考えて、言葉を出していく。


「…だって、茶々ちゃんは、今他の人に告白されたら…。ミノくんのこと好きだったのに、すぐにその人と付き合える?」


…きっと、わたしのリョウちゃんへの想いがあったことを、尊重してくれているんだろうな。
そーいうとこも、ちゃんと優しく分かってくれている瀬名が、すき。


< 203 / 400 >

この作品をシェア

pagetop