ヒミツにふれて、ふれさせて。
わたしの腕を掴んで、わたしの言葉を待っている珠理。
恥ずかしくて閉じていた目を開けると、目の前にいた珠理は、すごく切ない顔をしていた。
…こんな顔、初めて見る。
「…ちゃんと…好き…っ。今も、心臓いたいくらい…」
「…」
4回目だ。
何度呟けば、信じてくれるだろう。
あと何回言わされるのかと、覚悟を少しだけ決めていたところだけど、
もう珠理は何も言わないで、そのままわたしの身体をきつく抱きしめていた。
…ハグも、何回目なんだろう。
「…」
わたしの存在を確認するかのように、背中に手のひらを這わせて、そのまま後頭部を撫でられる。
そして、その手のひらは、わたしの髪の間を通って、いつものように耳と頰を包んでいた。
…ハッと、珠理と目が合う。
「……おこらない?」
「え…? …わっ」
小さい呟きが聞こえたかと思うと、そのまま目元に唇を押し付けられる。
…初めて、目元に触れられた。
でも、その後も珠理は、おでこや頰や、この間触れた唇の横に、自分の唇をチュッと押し付けながら、聞いてくる。
「…くちに、キスしても怒らない?」
…その、甘い甘い声に、もう、頭がクラクラしてくるよ。