ヒミツにふれて、ふれさせて。


「…おっ、怒らないよ一応…。ていうか、そういう今も、してるじゃん…」



おかげで、身体が熱くて仕方ないよ。



「そんなの分からないじゃない。めごとの初めてのキスがビンタで終わるなんて、嫌よ、アタシ」

「……そんなこと、しないよ…」



本当、いつもいつも大胆なくせに、こういうところは、慎重なんだよね。

…それも、全部全部、珠理の優しさなんだろうけどさ。



「…」


ジッと、わたしを見つめている珠理と、目が合った。
その綺麗な顔に見惚れていると、頰に触れていた手を、ゆっくりと、引かれて。


わたしも、ゆっくりと、目を閉じた。



「—— めご、好きだよ」



そして、珠理のその甘い囁きが聞こえたかと思うと、


そのまま、優しく珠理のくちびるが重なった。





「……、は」


わずかな間触れていたそれは、熱い息を吐いてそのまま少しだけ離れた。


今までずっとそばにいたはずなのに、たったくちびるを重ねるだけで、知らない人みたいでドキドキする。


「……やっと、触れられた」

「…っ」


…もう、そういうこと、いちいち言わなくていいよ。恥ずかしいじゃん。


そう、思ったけれど、思ったよりも今の空気が心地よくて、何も言えずに珠理の方を見た。


…わたしだって、うれしいよ。




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