ヒミツにふれて、ふれさせて。
・・・
帰り道は、手を繋いで帰った。
最初は道が暗かったから、珠理のコートの裾を掴んでいたけれど、それが見つかってしまった時に指を絡められた。
そのまま歩いて、鎌倉駅に着いた時、一度バイバイと言った。でも、「危ないから家まで送る」と言われて、結局うちまで送ってもらうことになった。
…本当に、心配性。
「…別に、わざわざ電車まで乗らなくてよかったのに…」
長谷駅に着いた時、隣にいた珠理に言った。
「どうしてよう。めごに何かあったら大変でしょう?」
「…」
…そんな、当たり前のように言われても。リョウちゃんにでさえ、うちまで送ってもらったことはあまりないのに。戸惑ってしまうよ。
昼間もいい天気だったから、星もたくさん出ていた。
澄んだ空気の中、温かい手につつまれて、その下を歩いていく。
「…」
…珠理、本当に背が高い。線は細いくせに、身体はとても大きくて。
「…っ」
…おかしいな。珠理が隣にいることにはもう、慣れたつもりだったのに。
「…めご?」
「えっ、」
繋がれた手が、ツンと突っ張った。ハッとして振り返ると、そこにはもう、見慣れた景色が広がっていて。
「あ…、もう着いたのか」
「ふふ。ぼーっとしてたんでしょ」
「うん…」
…だって、珠理は珠理でも、今までとはワケが違うんだもん。