ヒミツにふれて、ふれさせて。
なんとなく聞いただけだったのに、茶々ちゃんは少しだけ目を見開いたあと、少し下を向いた。
…ほんのり、顔が赤いのは気のせいだろうか。
「…っ、オーミが、似合うんじゃないって……言ったから………」
…!?!?
その反応に、頭が理解したのが数秒後。うっかり、「あ、そうなんだ」で流そうとしていたよ。危ない危ない。
これは…、近海くんへの最高な情報な気がする。聞き流してはおけない。
「近海くんがそう言ったの? それでポニーテールにしてるのかあ。かわいいね、茶々ちゃん」
「な…!!別に近海が言ったからイメチェンしたわけじゃないからね…!?」
…いやいや。茶々様さっき、“ オーミくんが似合うんじゃないって言ったからイメチェンした ” って名言したようなもんだったじゃん。
ていうか、何なのそのツンデレキャラは。可愛いなあ。録画して近海くんに見せてあげたいくらい。
「そっかそっか。近海くんが来たら、一番に見せてあげるといいよ」
近海くん、絶対喜ぶだろうなあ。
「ちょっと桜井芽瑚!!調子乗らないでよ!! 誰も近海のこと好きだからとか言ってないんだからね!?」
…うんうん、わたしもそんなことひと言も言ってないよ。もうほんと、可愛いなあ。
でも、よかった。近海くんと茶々ちゃんも、少しずつだけど近づいているのかもしれない。
茶々ちゃんに関しては、珠理のことでも色々と思うところもあったと思うから、少しだけ安心したというか…良かったって思ってしまう自分がいる。
…最低だと、思うけど。
でも、こんなカタチになっても、ちゃんと祝福してくれる茶々ちゃんがわたしは大好きだから。
茶々ちゃんのしあわせも、ちゃんと願っている。これは本当なんだ。