ヒミツにふれて、ふれさせて。


…あぁ、そうか。

この2人に言われるまで、あまりピンと来なかったけど、わたしは——。



「……珠理と離れるの、こわい…」



きっと、口から溢れてきた言葉が、今のわたしの本心。

今の今まで、あまり深くは考えないようにしていた。だけど、きっと初めから、どこかでは感じていたこと。


…珠理と離れてしまうのは、ものすごくこわい。



「…どうしよう、わがままだ。珠理はあんなに、わたしのことを安心させようって頑張ってくれているのに、わたしは…」

「めご…」

「さっき、自分で言っててハッとした。大学生の夏休みなんて…最近新年が明けたばっかりなのに、1年たってまた新しい年が来て、季節が2回変わらないと、珠理に会うことができない…」


…それに、離れているからっていつも連絡が取れるわけじゃない。

珠理が3月から向かうところと、日本との時差は約14時間。わたしが朝起きて学校に行く時間には、向こうは夜になる。
珠理だって学校があるから、連絡を取ることができる時間なんて限られてるんだ。

だから、なのかな。

17歳の今のわたしにとっては、その道が果てしなく遠いように感じる。



「…珠理の気持ちが、そのうち、なくなってしまったらどうしよう…って」



疑ってるわけじゃない。きっと大丈夫だって思ってる。

でも、わたしたちはまだ恋人同士になって1ヶ月ほどだ。これからのことなんて、まるで分からない。

どうなるのかなんて、分からないよ。



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