ヒミツにふれて、ふれさせて。
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リョウちゃんから連絡があったのは、美濃珠理とケーキを食べに行くという謎の出来事があった次の日だった。
特別日付が空いたわけでもなく、気まずかったわけでもないけれど、なんだか久しぶりに感じて、少し気分も上がったりした。
『めご?何やってる?』
今日のリョウちゃんの声は優しかった。
というか、リョウちゃんは、ほとんどの日が優しい人なのだ。あんなに怒ったり、わたしをたたいたしまうことは、わりと特別なことで、それ以外は、いつもの優しい男の子に戻っていることが多い。
「漫画読んでた。リョウちゃんは?」
『俺は、さっき部活から帰って、風呂入ってたよ』
「そっかあ、お疲れ様」
頑張ったね、って、思う。
中学の時から、サッカー部に所属していたリョウちゃん。そんなに強豪でもなかったし、今リョウちゃんがいる高校も、そんなに強いわけではないけれども、リョウちゃんはわりと真剣にサッカーをやっていた。
サッカーをやっているリョウちゃんはとてもかっこよくて、まるで少女漫画に出てくるヒーローみたい。なんちゃって。
『めご、今度試合見に来てよ。そんなに面白い試合できないかもしんねーけど』
「うん!行く行く!楽しみにしてるよ!」
リョウちゃん、ほんとにご機嫌だなあ。
今日、何かいいことがあったのかな。