ヒミツにふれて、ふれさせて。
リョウちゃんは、わりと男の人の中では、記念日とか行事を大切にする方だと思う。毎回の記念日は欠かさずこうやって電話をくれるし、わたしが気づかない時でも、ちゃんと自分から言ってくれる。
夏祭りもクリスマスもバレンタインデーも、リョウちゃんとは付き合った時からずっと一緒に過ごしてきたし、特別な日には、いつもどこかに連れて行ってくれる。
だから今回も、こうやって電話をくれたんだ。
『めご、今度の土曜は空いてる?どっか出かけようか』
「空いてるよ!出かけたい!どこに行く?」
『めごの好きなところでいいよ』
「えっ、じゃあ江ノ島!今年、まだ行けてないから、久しぶりに行きたい…!」
『ん、おっけー』
わあああああ。
リョウちゃんと江ノ島に行ける。記念日、ばんざい!
江ノ島は、リョウちゃんと初めてデートした場所だった。わたしたちが住んでいるところからは近場なわりに、色々と見るところもあって、恋人たちのデートにはもってこいの場所。
『江ノ島水族館は行くの?』
「んーん、普通に海が見たい。弁天橋を渡って仲見世通りに行こう〜」
水族館も、楽しいから好きだけど。
今回はなんか、リョウちゃんと2人でゆっくり歩きたい気分。美味しいものを食べたい気分。
『んじゃ、土曜の12時時に鎌倉な。夕飯も食べに行きたいから、おばさんにそう言ってな』
「うんっ!わかった!」
わ〜〜〜〜。嬉しいなあ。
久しぶりに、恋人っぽいことができるんじゃないのかな。デート最高。