ヒミツにふれて、ふれさせて。


「…茶々が、来たの?」

「うん、すごく美少女だね。ていうか女の子が好きって本当なんだね」

「…、何か、された?それとも、言われた?」

「…いや、特に何も」


色々言われてはいるけど、そこをちくったりしたら面倒くさくなりそうだし、やめておこう。

思ったよりも、珠理が真剣な顔をして考え込んだから、あまり触れてはいけない話題だったのかと考えてしまった。


「…ごめんなさい。アタシのせいだわ」

「べつにいーよ。彼女が怒るのも、分かるしね」


…中学の時の、元カノかぁ。
珠理にも、そんな時期があったんだなあ。

まぁ、わたしもリョウちゃんとは中学から付き合っているわけだし、おかしくもない話か。

あんだけお互い美人だったら、惹かれ合わない方がおかしいというか、なんというか。


「……」


…でも。

それなら余計、どうしてわたしなんかと仲良くしてくれるのかも謎だよなあ。

キッカケがあったからっていうなら、自然なんだろうけどさ。







「えっ、ミノくんって元カノいたんだ?!」


休み時間、瀬名に今朝の出来事を話したら、とてもビックリしていた。

わたしと瀬名は同じ中学だけれど、珠理や近海くん、茶々さんとは違う中学だから、知らない情報であってもおかしくない。


「意外だねぇ。男の人が好きなのかなって、ちょっと思ってた」

「そうだよね。でも、珠理は別に、恋愛対象は普通に女の子だって言ってたよ。だから、女の子と付き合っててもおかしくない」

「ふうん…」

瀬名は、少し驚いていたけれど、その話に納得したのか、じっとわたしの方に目を向けていた。



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