ヒミツにふれて、ふれさせて。
「清水くんは、珠理とあの元カノちゃんが付き合ってたの知ってたんだね」
「そりゃあね。結構有名だったし。あいつらが付き合う前も、美濃にはすげー好きな人いるって話で女子がショック受けてた時期があったんだよ。それでその後あの子と付き合い出すようになったから、尚更騒がれてた」
「へぇ」
…“ すげー好きな人 ”かあ。それがきっと、あの茶々って子だったんだね。
「珠理って、中学からずっとあんな感じなの?なんていうか…その…」
「ははは、うん。美濃は何回か話したことあったけど、あんな感じ。中学からしか知らねぇけど、ずーっとあんな感じ」
「そっか」
それじゃあ、珠理はあの子と付き合ってた時も、あんな感じのキャラだったんだね。オネェ男子と付き合うって、どんな感じなんだろう。想像できない。
茶々ちゃんは、あんな奴のどこが良くて付き合ってたんだろう。今日の様子だと、相当珠理に惚れ込んでるよね。謎だ。
「桜井さんも、美濃のことカッコいいって思ってんの?」
「へぁっ?!」
突然何を言い出すんだ。
頭の中で色々と考え込んでいたからか、思わず変な声が出てしまったじゃないか。
「違うよ、なんでそうなるの」
「ははは、だって美濃、モデルみたいにかっこいいじゃん。中身はちょっと変わってっけど」
…ちょっとどころじゃないよ。かなり変わってるよ。清水くん、寛大すぎない?
「わたしは、どちらかというと、隣にいる近海くんの方が好み」
「はははは!陸奥か〜!あいつも人気あるからな〜!」
珠理は美しい。それは認める。けれど、陸奥くんはジャ○ーズ事務所にいるような顔つきだから、わたしはどっちかっていうと、そっちの方が好みだ。
…これは、本当だもん。