ヒミツにふれて、ふれさせて。
「…ねぇめご。待って。それは」
「あーあーあー。もう、そういう細かい話はわたしには関係ないから!だからちゃんと、あの子と話して、わたしにメーワクかからないようにしてよね!」
「…めご、」
「好きな人いんなら、その人に集中してればいいのよ!わたしのことなんか、もう助けにきてくれなくて大丈夫だから」
…どうして、わたしはこんなにイライラしているんだ。どうしてこんなに、こいつにぶつけているんだろう。
よく、分からない。でもなんか、モヤモヤする。
「…めご、何怒ってんの…」
「知らないっ」
「めご、」
「そうやって…!中途半端に優しくしてくれなくていいって言ってんの…!リョウちゃんと上手くいってないわたしを見て、カワイソウだって思ったのか知らないけど、もう、そういうのいらないから…!」
「———…」
「あんたいなくたって、わたしは大丈夫だったんだから…!わたしは………!」
——その瞬間。重い身体を持ち上げて、自分の想いを爆発させてやろうと珠理に訴えた瞬間。
「———っ」
ぼたぼたと、大粒の透明な水分が、わたしの目から零れ落ちた。
これは涙だ、と気づくまでには、少し時間がかかった。だって、泣きたくなるような感情なんて、この時はもっていなかったから。
むしろ、怒っていた。わたしは、このオネェの無神経さに怒っていたのに。