囚われのシンデレラ
「うん!やっぱりおいしい」
メイドさんの作る料理も好きだけれど、何と言っても薫の作るトマトスープは絶品なのだ。
するすると口に入るから、飽きが来なくてすごくおいしい。
ご機嫌で朝食を頬張るあたしを見て薫はクスリと笑った。
「そんなに急ぐと喉を詰まらせるよ?」
「急いでる訳じゃないよ、薫ってば、人を食いしん坊みたいに言わないで?」
頰を膨らませてみせると薫は「ごめんごめん」と頭を撫でてくれた。
…うーん、許す!
普段より少しだけ急ぎめの朝食を摂り学校へと向かう。
もう今では当たり前になった車で通学する。
薫は仕事があるらしくて、車にはついて来ない。
あたしが通うのは、お嬢さま学校と言われる『私立黒翠学園中等部』。
ここには薫のような大財閥に生まれた少女が通っている。
学校に着くまでの時間を窓を見て過ごし、到着した。
そして車を降りようとした時、何か違和感を覚えた。
……視線、感じる。
ゾッとして後ろを振り返るが誰もいない。
「どうしましたか?紫様」
「大丈夫…でも誰かに見られてたような気がして…」
メイドさんの作る料理も好きだけれど、何と言っても薫の作るトマトスープは絶品なのだ。
するすると口に入るから、飽きが来なくてすごくおいしい。
ご機嫌で朝食を頬張るあたしを見て薫はクスリと笑った。
「そんなに急ぐと喉を詰まらせるよ?」
「急いでる訳じゃないよ、薫ってば、人を食いしん坊みたいに言わないで?」
頰を膨らませてみせると薫は「ごめんごめん」と頭を撫でてくれた。
…うーん、許す!
普段より少しだけ急ぎめの朝食を摂り学校へと向かう。
もう今では当たり前になった車で通学する。
薫は仕事があるらしくて、車にはついて来ない。
あたしが通うのは、お嬢さま学校と言われる『私立黒翠学園中等部』。
ここには薫のような大財閥に生まれた少女が通っている。
学校に着くまでの時間を窓を見て過ごし、到着した。
そして車を降りようとした時、何か違和感を覚えた。
……視線、感じる。
ゾッとして後ろを振り返るが誰もいない。
「どうしましたか?紫様」
「大丈夫…でも誰かに見られてたような気がして…」