奏でるものは 〜功介〜
朝、待ち合わせの駅で見つけた唯歌は、知らない人みたいに綺麗だった。


白いダウンジャケットから黒いショートパンツ、ロングブーツ。
ちょっと化粧もしてるのか、顔立ちがいつもよりハッキリしていた。


俺を見つけて、嬉しそうに笑って近付いてくる。


俺の彼女、誰にも見せたくないし、見せて回りたい。


「おはよう」

「おはよ……」

頭にポンっと手を乗せて、髪を撫でた。




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