奏でるものは 〜功介〜
第6章
クリスマスの前に冬休みに入った。
「功介は?ラブラブなクリスマスするんじゃねぇの?」
昌が冷やかしてくる。
「いや、家の用事で、しばらく会えないんだ」
「へえ?……あ、だからここに入り浸ってるんだね、かわいそうに〜」
「うるせーよ」
「唯歌って、どこの家?」
龍が聞いてきた。
「最寄り駅は龍と一緒だよ。
家まで行ったことないから、よくわかんねぇけど」
「家、知らないのか?
って、まあ桜輪だから、あまり他の人には言わないか。
ニシダって知らねぇけどな」
優の言葉に桜輪がお嬢様学校だったことを思い出した。