花火の咲く音
約束の時間に彼女は来た。

涼しげな浴衣。
布から溢れそうな白地に紫の菊の花。
上品な感じだと男ながら思った。

「行くか」

まだそこまで混んでいなかったけれど、空いているわけでもなかった。

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