花火の咲く音
このままじゃ、いくら夏でも、風邪ひくぞ____

そう言いかけたとき、彼女はパッと俺の手を退け、言った。

「ごめん、もう、帰るね。」

えっ、と思った瞬間、彼女は立ち上がる。

どうやら自分が濡れていることに耐えられなくなったらしい。

彼女が立ち上がると、座っていたところは水溜りができていた。

どうしたんだ…??

立ち上がった彼女の顔もびっしょりだった。

「おい、波、どうしたっ?!」
「好き」

言い終わらない内に、彼女はそういった。

想定していたものの、少し驚いた。
< 24 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop