花火の咲く音
確か………誰かと……美しいものを見ていた。

誰だったっけ。

「な、な………」

「どうしたの冬翔?納豆が食べたいの?」
母親に独り言をきかれた。

「ちがう……な、な…」

「な……?波?波のこと?忘れたの?」

ハッとする。

「そう!波!!どこにいる!?」

「冬翔…………」

母親が不安そうな顔して見つめてくる。

「波は………」
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