花火の咲く音
「おい、俺は何すればいいんだよ」

下校時間ギリギリ、放課後の教室、たまたま会った。

「そうだねぇ…」

彼は、早く言えとでもいいたげな顔でこちらをみている。

そんな顔を眺めながら、私は彼に近づき、少し強引だけど、ネクタイを引っ張って、

「カップルごっこしてよ」

そう呟いた。

彼と目が合う。彼は目をまんまるくしたが、

「わかったよ」

とだけ呟いた。
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