戦月姫
光「君は?菜月のロボットだよな。」

「はい。ヒューズと申します。」

ロボットを作ることすら反対されているご時世なのに、この部屋はロボットの世界みたいだ。しかも喋れるらしい。

ヒューズ「私は菜月様が逃げた森の中で作られました。」

光「てことは、紅月の悲劇の直後?」

ヒューズ「そうです。友達も家族も親戚も失くした菜月様の話し相手として作られました。」

鍋から香ばしい匂いが漂ってきた。

ヒューズ「だから、菜月様がこれまで経験してきたことは知っております。」

光「全て?」

ヒューズ「はい。1つは光様もご存じの通り、浮遊ロボットが作れることです。」

光「どうして菜月だけ生き残ったのかも?」

ヒューズ「はい。」

火を止め、お皿を用意する。

ヒューズ「その上で、光様にお願いしたいことがあります。」

光「お願い?」

ヒューズ「はい。
菜月様の復讐を止めて頂きたいのです。」

ヒューズの言葉に思わず手が止まる。
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