副社長のいきなり求婚宣言!?
1 副社長様に捕まりました
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「俺と、結婚してみないか……!」
閉まりかけた扉に差し込まれた骨ばった長い指。
閉じることをやめさせられたエレベーターの扉のその向こうから、うちの社で知らない人はまずいないであろう超絶イケメンが現れた。
二次元からそのまま飛び出してきたような端整なお顔立ち。
フレームレスの眼鏡の向こうでは、普段なら凛とした冷静を孕んでいる双眸が、少し乱れた黒の前髪その裾野で焦りに見開いている。
何事かと鬼気迫る圧に、身体は逃げ場なく両腕をかばうように縮こませることが精一杯で、狭い箱の中から目線だけで長身を見上げた。
「は、はい……??」
エレベーターに乗り込んだ途端、何か問いかけるというより、唐突に提案のようなものを投げられたような気がする。
何の聞き間違いかと思い、内容を確かめたくて、怯えながらぎこちなく首をかしげた。
「ずっと君と話しがしたかった」
「え??」
遠く遠い雲の上の存在だった人物が、今、現実にいる生身の人間のように大きく深呼吸をする。
「総務部庶務課、亜弥音(アヤネ)まどか」
どれがファーストネームなのかわからないような一般庶民の名前を……なぜ?
「俺と、結婚してみないか……!」
閉まりかけた扉に差し込まれた骨ばった長い指。
閉じることをやめさせられたエレベーターの扉のその向こうから、うちの社で知らない人はまずいないであろう超絶イケメンが現れた。
二次元からそのまま飛び出してきたような端整なお顔立ち。
フレームレスの眼鏡の向こうでは、普段なら凛とした冷静を孕んでいる双眸が、少し乱れた黒の前髪その裾野で焦りに見開いている。
何事かと鬼気迫る圧に、身体は逃げ場なく両腕をかばうように縮こませることが精一杯で、狭い箱の中から目線だけで長身を見上げた。
「は、はい……??」
エレベーターに乗り込んだ途端、何か問いかけるというより、唐突に提案のようなものを投げられたような気がする。
何の聞き間違いかと思い、内容を確かめたくて、怯えながらぎこちなく首をかしげた。
「ずっと君と話しがしたかった」
「え??」
遠く遠い雲の上の存在だった人物が、今、現実にいる生身の人間のように大きく深呼吸をする。
「総務部庶務課、亜弥音(アヤネ)まどか」
どれがファーストネームなのかわからないような一般庶民の名前を……なぜ?
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