副社長のいきなり求婚宣言!?
 副社長様の向こうに見えるのはベッド。

 ここは夫婦の寝室を想定して作られた部屋。

 そして、昼間告げられた“プロポーズ”。


 様々な条件が重なり合い、それまでの仕事意識が、心臓の大きな爆発音に吹き飛ばされた。


「ちょっと、こっち来い」


 すでに大爆発を起こした私に構わず、力強い掌が腕を強く引っ張る。

 自分ではいうことを利かせられなかった身体は、副社長によって寝室へと連れ込まれた。

 足元のふらつく私の背後で、閉まる扉がいかがわしい音を立てた気がした。

 
 扉を背にする私に、麗しいお顔が逃がさないとばかりに迫りくる。

 けたたましい鼓動が身体の中で鳴り響いた。
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