副社長のいきなり求婚宣言!?
 副社長様からの宿題は、土日の間で、デザイン画を描けるだけ描いてくること。

 枚数は問われなかったけれど、なかなか勘を取り戻せなくて、昨夜日付が変わってしまうまでに、ほんの数枚しか描けなかった。


 副社長命令だからって、今私にできる精一杯のことをしてきたけど。


 これは仕事じゃないって、いったいどういうこと……?

 仕事じゃないから隣に座ったの?

 じゃあ副社長は、何のためにこんなこと……


 聞きたいことが溢れてくるのに、たった数枚の画をずいぶんと時間をかけて見る副社長に、口を挟むこともためらわれる。

 長い人差し指が悩ましい角度で口元に添えられ、美麗な横顔を支える。

 真っ直ぐな眼差しを落とす目元では、瞬きの回数の少ない睫が綺麗なカーブを描いていた。

 ただそこにいるだけで美しさを放ち続けるお姿に、緊張していたはずの私の目からはハートがはらはらと舞い落ちていく。
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