副社長のいきなり求婚宣言!?
「よし、わかった。

 これ持って先に下に降りてろ」


 閉じたスケッチブックをポンと頭の上に載せられて、立ち上がった副社長様の麗しのお顔が見えなくなる。

 いろいろ痛いところを突かれて、顔を向けられなくなっていたから、ほっとしたけど。


「もう今の時間だと裏の通用口は人が出入りしてる。地下駐車場に車を回すから、そこで待ってろ」


 頭の上の大きなスケッチブックを両手で受け取り、そばから立ち去る副社長様を四角の陰から盗み見ると、


「いいところに連れて行ってやる」


 姿勢のいい肩越しに振り向いていた超絶イケメンが、ニヤリと口端を上げてほくそ笑んでいた。




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