副社長のいきなり求婚宣言!?
「まずは腹ごしらえだ。どうせいつもコンビニの弁当とかで済ませてんだろ。だからそんなにちっこいんだよ、背も胸も」

「……っ!」


 せ、セクハラ……っ


 別の場所で乗ってきたのは、他の社員に見られないようにするためだったのかと、副社長のさりげない細やかな気配りに、さすがだと尊敬の念を抱いたのに。

 指摘された体型を隠すように自分を抱きしめ、ほくそ笑む流し目から精一杯の距離に逃げた。

 体型を知られた金曜日のことを思い出し、激しい羞恥が全身の毛細血管までをも真っ赤に膨らませる。


 「ああついでに、描く家も、だな」


 ぐっと反論の意思を詰まらせたのは痛いところを突かれたからではなく、話している相手が私を雇ってくださっている会社の副社長様だから、ということにして、今は黙ってしまうことにした。




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