副社長のいきなり求婚宣言!?
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 真っ白のクロスが掛けられたテーブルでは、暗い店内で数少ない照明のひとつが、四角いグラスの中で炎を揺らしている。

 最初、注文もしていないのに運ばれてきた料理は、明らかにコースもののスープとオードブル。

 次に来た黒エプロンのギャルソンが、風のなんとかっていうよくわからない名前を口にしていたお魚のムニエルが、上品にお皿の上で美味しそうに照っていた。


「ほ、本当にいただいていいのでしょうか……」

「せっかく作ってもらったんだ。食べないと罰が当たる」


 腹ごしらえと称して連れてこられた場所は、しなやかな曲線美を施されたボディの艶やかな高層ビル。

 エレベーターの前に居たコンシェルジュが、片手を挙げただけの副社長様に頭を下げると、行き先も告げずに四十一階まで案内されたことに驚きを隠せなかった。

 上品な照明だけのフロアをただただついて行くと、これまた顔パスで「長谷川様、お待ちしておりました」と通されたのが、今副社長と向かい合わせに座っているレストランだ。
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