副社長のいきなり求婚宣言!?
退社する社員のほとんどが、地下鉄入り口に近い社の正面玄関をくぐって帰路に着く。
例に漏れずそこから帰宅することになんの疑問も抱かずにいたのは、退社時刻を迎えるまで。
ぞろぞろと残業をしない同僚達が社の正面玄関へと流れていく。
その波に飲まれかけたところで、お昼に副社長様から通達された“業務連絡”を思い出した。
――“業務終了後、社屋裏手の時間外通用口の前で待つように”
多少息を上げていたようだったけれど、それでも落ち着きを孕んだ低すぎない声。
副社長様の声を聴いたのは、年末に行われた謝恩会での挨拶以来だ。
あのときは、とても同じ次元にいる人だとは思えないような遠い存在だった。
なのに、今日私は狭い密室で二人きり。
そんな人と目と目を合わせていたなんて、思い返しても思考回路がショートしてしまいそうだ。
非現実的な超絶イケメンを、あんなに近くでお目にかかったのは当然初めてで、自分の中の夢見る女子が、強引に引きずり出されそうなほど、いまだに心臓が震えている。
例に漏れずそこから帰宅することになんの疑問も抱かずにいたのは、退社時刻を迎えるまで。
ぞろぞろと残業をしない同僚達が社の正面玄関へと流れていく。
その波に飲まれかけたところで、お昼に副社長様から通達された“業務連絡”を思い出した。
――“業務終了後、社屋裏手の時間外通用口の前で待つように”
多少息を上げていたようだったけれど、それでも落ち着きを孕んだ低すぎない声。
副社長様の声を聴いたのは、年末に行われた謝恩会での挨拶以来だ。
あのときは、とても同じ次元にいる人だとは思えないような遠い存在だった。
なのに、今日私は狭い密室で二人きり。
そんな人と目と目を合わせていたなんて、思い返しても思考回路がショートしてしまいそうだ。
非現実的な超絶イケメンを、あんなに近くでお目にかかったのは当然初めてで、自分の中の夢見る女子が、強引に引きずり出されそうなほど、いまだに心臓が震えている。