副社長のいきなり求婚宣言!?
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コースの最後には、ピンクのソースのかかった小さなハートのミニケーキが出てきた。
隣にリンゴを薄く切って作られた薔薇がちょんと添えられていて、思わず「可愛い」と呟いた私を、副社長は「単純」だと満足そうに笑った。
食後のコーヒーを飲み終えたところで片手を挙げた副社長。
呼びつけたギャルソンは、アイコンタクトのみで伝票ホルダーを渡してきた。
とてもシンプルな財布から出された黒いカードが挟んで返される。
瞬きをする間に会計を済ませる副社長に、私も慌ててバッグから財布を取り出した。
「あっ、あのっ、お会計は……っ」
さりげなく自分の身なりを整える副社長に続いて立ち上がると、中身が心配な私の財布をチラ見される。
意外だという顔で私に視線を移した副社長は、短い溜め息を鼻から抜いて目を細めた。
「女は男の前で財布見せるもんじゃない。覚えとけ」
コースの最後には、ピンクのソースのかかった小さなハートのミニケーキが出てきた。
隣にリンゴを薄く切って作られた薔薇がちょんと添えられていて、思わず「可愛い」と呟いた私を、副社長は「単純」だと満足そうに笑った。
食後のコーヒーを飲み終えたところで片手を挙げた副社長。
呼びつけたギャルソンは、アイコンタクトのみで伝票ホルダーを渡してきた。
とてもシンプルな財布から出された黒いカードが挟んで返される。
瞬きをする間に会計を済ませる副社長に、私も慌ててバッグから財布を取り出した。
「あっ、あのっ、お会計は……っ」
さりげなく自分の身なりを整える副社長に続いて立ち上がると、中身が心配な私の財布をチラ見される。
意外だという顔で私に視線を移した副社長は、短い溜め息を鼻から抜いて目を細めた。
「女は男の前で財布見せるもんじゃない。覚えとけ」