副社長のいきなり求婚宣言!?
*
「素敵……」
足音の響く大理石の真白い通路の突き当たり。
ダークブラウンのドアをくぐった玄関で、腰の高さに置かれたガラスのショーケースを見つけた。
「俺が最初に建てた家だ」
ここだけで十分くつろげる広さのある玄関を上がったすぐのところに、副社長が建てたらしい住宅の小さな建築模型が飾られていた。
ゆるい傾斜の土地に、段違いに二棟を繋げて作られたミニチュアの家。
外壁の色はこの時点では決まっていなかったのだろう。
ただ白い素材で形作られただけで、あとはフラットな陸屋根の屋上と家の周辺のあちこちに、植栽の緑が散りばめられていた。
「この模型もご自分で?」
「ああ、下手くそだろ。初心を忘れないように、恥を忍んで絶対目につく場所に置いたんだ」
たしかに細かいところは粗削りな感じがするけれど、家全体のデザインはさすがにセンスがある造りだ。
ハウスメーカーに勤めていながら、設計などには全く関わらない業務をしているせいで、こういった模型を見るのもずいぶん久しぶりのことだった。
「素敵……」
足音の響く大理石の真白い通路の突き当たり。
ダークブラウンのドアをくぐった玄関で、腰の高さに置かれたガラスのショーケースを見つけた。
「俺が最初に建てた家だ」
ここだけで十分くつろげる広さのある玄関を上がったすぐのところに、副社長が建てたらしい住宅の小さな建築模型が飾られていた。
ゆるい傾斜の土地に、段違いに二棟を繋げて作られたミニチュアの家。
外壁の色はこの時点では決まっていなかったのだろう。
ただ白い素材で形作られただけで、あとはフラットな陸屋根の屋上と家の周辺のあちこちに、植栽の緑が散りばめられていた。
「この模型もご自分で?」
「ああ、下手くそだろ。初心を忘れないように、恥を忍んで絶対目につく場所に置いたんだ」
たしかに細かいところは粗削りな感じがするけれど、家全体のデザインはさすがにセンスがある造りだ。
ハウスメーカーに勤めていながら、設計などには全く関わらない業務をしているせいで、こういった模型を見るのもずいぶん久しぶりのことだった。