副社長のいきなり求婚宣言!?
*
あれだけの広いロビーを抱えるマンションだ。
通された部屋の広さや、天井に下がった照明がシャンデリアだったことにも、驚くことに頭がマヒしてもう慣れてきた。
副社長室と同様に床まであるガラス張りの窓。
さっきのレストランよりももっと遠くまで見渡せる夜景は、私をさらなる夢の世界へといざなっていくようだ。
「素敵、ですね……本当に」
「ここに立つと、世の中を支配している気分になれる」
あえて窓際に置いたという一人掛けのソファは、柔らかな短起毛の黒いフリークロスを流し掛けただけのものだ。
座らせてもらったそこから見上げる副社長の、淡い黄金色の気泡をくっとあおる横顔。
喉元の動きに、大人の色気を存分に醸し、私の目を奪う。
「無理して飲まなくてもいいぞ。今日は飲みたかっただけなんだ。付き合わせて悪かったな」
「いえ、少しずついただきます」
副社長が持っているものと同じグラスで、シャンパンを口に含む。
喉に軽い刺激をくれる気泡は、夢心地に揺られる頭をかろうじて現実に引き留めてくれていた。
あれだけの広いロビーを抱えるマンションだ。
通された部屋の広さや、天井に下がった照明がシャンデリアだったことにも、驚くことに頭がマヒしてもう慣れてきた。
副社長室と同様に床まであるガラス張りの窓。
さっきのレストランよりももっと遠くまで見渡せる夜景は、私をさらなる夢の世界へといざなっていくようだ。
「素敵、ですね……本当に」
「ここに立つと、世の中を支配している気分になれる」
あえて窓際に置いたという一人掛けのソファは、柔らかな短起毛の黒いフリークロスを流し掛けただけのものだ。
座らせてもらったそこから見上げる副社長の、淡い黄金色の気泡をくっとあおる横顔。
喉元の動きに、大人の色気を存分に醸し、私の目を奪う。
「無理して飲まなくてもいいぞ。今日は飲みたかっただけなんだ。付き合わせて悪かったな」
「いえ、少しずついただきます」
副社長が持っているものと同じグラスで、シャンパンを口に含む。
喉に軽い刺激をくれる気泡は、夢心地に揺られる頭をかろうじて現実に引き留めてくれていた。