副社長のいきなり求婚宣言!?
 見つめ続けていた瞳が、ゆらりと揺れて傾き迫る。

 ふたり同時に閉じる瞼。

 最後まで距離を測ってくれた副社長に任せたまま、二人の口唇が重なった。

 触れるだけで、一度離れると、震えているとわかる瞳をゆっくりと上げる。

 待ち受けてくれていた副社長が、今度は私の後頭部を掌で包み込んで、長い口づけを交わしながら、そばのテーブルに優しく私を横たえた。

 大きな手は、全部を預けたくなるくらい凄く安心する。

 頭をかばわれながら、融け合わせる口唇が熱くて、胸がはち切れそうに膨らむ。


 好き、……大好きなんです、副社長……


「……まどか……」


 心の声に応えるように、耳元で息苦しそうな声が私を呼ぶ。

 身体は固いテーブルに押し付けられているのに、副社長の熱に浮かされて痛みはない。

 溢れる気持ちを叫びたがる声は、熱い口唇に押さえ込まれ、ふたりきりの部屋で交わす長い長い口づけが、私の心の全部を引き受けてくれた。




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